油絵具の乾燥について
紙(水彩紙)について
透明水彩絵具と不透明水彩絵具
油絵の画面保護

筆について



油絵でやっかいなのは、乾燥が遅いことです。
生乾きのままでは、なかなか次の作業にかかれませんから、水彩画などに比べると、どうしても作品を仕上げるまでに多くの期間を必要とします。

油絵具は、原料の油の分子が空気中の酸素を使って結合することで固まります(これが乾燥です)
この乾燥に必要な環境は
 
@酸素の供給(風通しを良くする)
 A適温(25℃〜40℃)
 B除湿(湿度50%以下)


つまり風通しのいいあたたかい場所で、湿度が低い環境が良いということです。

湿度の高い梅雨時などは、乾燥が遅くなるので、エアコンで除湿をする、
夏場は風通しを良くする
冬は暖房のある部屋に・・
といったことを心がけることで、いくらか乾燥が早くなります。

また、乾燥促進剤としてシッカチーフを使う方法もあります。
シッカチーフは、油絵具の乾燥に必要な酸素を運んできて、乾燥を早める作用があります。(但し、使用の際、多く使いすぎると絵肌を損ないますので、多少注意が必要です。)
その他に、急速乾燥メディウムなども、最近では販売しています。

(2003年3月)



水彩紙を購入されるときにスケッチブックではなく、紙で購入される場合は
紙の目と、斤量、そしてサイズ(寸法)で選びます。

紙の目は荒目・中目・細目・極細といったものがあり、これは自分に適したものを選びます。

斤量は185g や300gといった重さで表示されますが、こちらは厚さの基準です。  
1平方メートルあたりの紙の目方(g/u)を表示していますので、この目方が多いほど厚い紙ということになります。

そして寸法ですが、これは国やメーカーによって、サイズがまちまちなので、結構ややこしいのです。
アルシュ(フランス)やクラシコファブリアーノ(イタリア)といったヨーロッパでは、中版( 560mm x 760mm)を標準として、その他、全版(700mm x 1000mm)といったサイズなどを使用したりしますが、この中版というサイズもメーカーによって若干寸法が異なったりします。
日本のものは四六判(シロクバン) (1091mmx 788mm)を使うものが一般的です。

この紙を同じ4切(ヨンサイ)や8切(ハッサイ)に切って使用しますが、版のサイズが違うため、大きさがメーカーによって微妙に異なってくるのです。
  (尚、参考までに、紙はヨンサイ ハッサイと呼びますが、額はヨツギリ、ヤツギリと呼びます。これもややこしいですね)

紙を購入する際は、中版サイズといった名称ではなく、寸法(実寸)で購入される方が、間違いがないといえます。
(2002年11月)



 
透明水彩絵具不透明水彩絵具(ガッシュ)の違いについて

透明水彩も不透明水彩(ガッシュ)も顔料は同じです(多少、顔料の質が違ったりしますが・・)
透明水彩を厚く塗り重ねれば、不透明な感じになりますし、不透明水彩の水を多くすれば透明な感じになります。
不透明水彩は顔料がつまっているので、色が不透明に、一方、透明水彩は顔料に隙間がある為、透明感があるということです。
不透明水彩は均一に全反射し、透明水彩は顔料に隙間がある為、顔料の下の紙が見えたり、被膜に反射したりして乱反射をおこします。
力強く描くときは不透明水彩を使ったりしますが、やはり高級顔料を使用した透明水彩が水彩画ならではの奥深さを表現するものと言えるのではないでしょうか。
(2002年1月)




油絵の作品は、保管の状態によっては数百年間、保存することも可能です。
ですが、料理の油や煙、煙草のヤニ、空気中のゴミや埃、光・・・これらは作品を確実に汚し、痛めます。

その防止策として、
1.ガラス入りの額縁に入れて、保管する。
2.画面保護のタブロー(ピクチャーヴァニス)を塗る

 タブロー(ピクチャーヴァニス)は、作品を汚れ、傷等、外気の様々な刺激から作品を守ります。画面全体に薄く数回重ねて塗ります。(グロス仕上げ、マット仕上げ、サテン仕上げ といった種類があり、それぞれに特徴があります。)

尚、タブロー自体が黄ばんできた時は、ペトロールでふき取り、再度塗り直します。(タブロー自体は変質しますが、除去できます)
(2001年6月)



筆とは・・・・・
中国を中心とする文明圏では、文字(漢字)を書く為に発達したという歴史があります。他の文明圏では、絵画を描く為存在しました。
どちらの文明圏においても、大別して丸筆と平筆があります。

16世紀頃より欧州で発展した油彩画法では、その顔料の特性により、丸筆、平筆とも独特な発展を遂げました。

特に平筆からのバリエーションは多種に渡ります。
その形状は
フラット,スラント,ブライト,フィルバード,ロングフラット,ロングフィルバード,ファン・・・などといったものがあります。
以下、簡単な説明です(形状の画像がなくてごめんなさい)

フラット・・・平筆のことで、面塗りには便利です。角(エッヂ)を利用して線を描くのにも利用できます。
スラント・・・斜刃形の特殊な形状です。使用方法によって、面白く描ける効果があります。
ブライト・・・フラットより穂先が短いものです。力強いタッチの描法に適しています。
フィルバード・・・フラットの穂先の形状を使い込んだように角をとってあるものです。描き込みに便利な筆です。
ファン・・・扇形筆です。創造性豊かに多用途に使えます。

フィルバート筆はフラット筆を最初から自分で使い込んだような形にしていることから、伝統的な欧州の画学校ではフィルバート筆の購入を禁止している学校もあります。

自分にあったよい筆を選ぶこと、そして使い込んで使い易い形を作っていくことがやはり上達の基本といえましょうか。
(2001年5月)



 
筆には、書筆、水彩画筆、油彩画筆、デザイン筆、日本画筆、などありますが、これらの原毛は現在、そのほとんどを国外に依存しています。
良毛の条件は、毛が繊細で弾力があること、それぞれの動物の特有の色つや、特質を備えていることです。
この原毛は一般的に野生のものが好ましいのですが、世界的に都市化が進むにつれ、質は低下の傾向にあります。
一方、最近では化学繊維を使った筆も多くみられます。
最近では、技術の進歩により人気もあるようです。

さて、ではそれぞれの用途にはどんな筆が適しているのでしょう。

水彩筆に使用されるのは、主に馬毛、リス毛、タヌキ毛、イタチ毛、など。油彩筆にはブタ毛、馬毛、タヌキ毛、牛毛などを使用します。日本画には、猫の毛や山羊の毛なども使われます。

それぞれの毛の特質としては

馬の毛・・・水の含みが良く穂先がまとまり易く、柔らかめです。
リスの毛・・・やはり穂先がまとまり易く、毛の消耗度が低いものです。
タヌキの毛・・根元が細く、ふっくらした感じ。毛先が鋭い。
イタチ毛・・コリンスキーなどの高級筆は、中国北東部に住むイタチです。大変高価なものですが、水含みもよく、筆材料としてはすべての要素を持っています。
ブタ毛・・・油絵具のねばりに負けない硬くて強い毛は油彩には最適。水彩画筆としては余り好ましいものではありませんが、不透明画用として利用されます。
猫毛・・毛先が軽妙ですが、消耗度が高いので、毛の生命は短いです。
山羊毛・・水の含みが良く、まとまり易いものです。
その他、マングース毛などもあります。
2001年5月)



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